太陽光発電設備の保守管理について

更新日付:2025年03月26日

太陽電池とは

気候変動対策として注目されている再生可能エネルギーの一種、太陽光発電システムは、近年、環境への配慮や電気料金削減、災害への備えなどに役立つことから、住宅用太陽光発電システムを導入する家庭や企業が増えています。

太陽光発電システムの中心になっているのが太陽電池です。太陽電池とは、太陽の光エネルギーを電気に変換する発電機のことです。太陽光を受け取る装置のことをモジュール、またはソーラーパネル太陽光パネルなどと呼びます。

電気を蓄える一般的な電池とは異なり、モジュール単体に電気を貯める機能はなく、太陽光エネルギーを直接電力に変換して出力する設備で、電力を蓄えるには別途蓄電池が必要になります。

その他、モジュールで出力したエネルギーは直流電気のため、直流電気エネルギーを家庭やオフィスで利用できる交流電気エネルギーに変換するパワーコンディショナーも、太陽光発電システムの主な設備の一つです。

太陽光発電の特長

クリーンで枯渇しないエネルギー

太陽光発電の最も大きな特徴は、無限に利用できるクリーンなエネルギー源であることです。
火力発電のように石油を燃焼させて電力を生み出す方法とは異なり、発電時にCO₂やSOX(硫黄酸化物)、NOX(窒素酸化物)といった大気汚染物質を排出しません。

設置場所の制約が少ない

また、規模に関わらず発電効率がほぼ一定であるため、設置する場所の広さに応じて柔軟に規模を調整できます。そのため、一般家庭から大規模施設まで、各施設に適したシステムの導入が可能です。
発電時に騒音が発生しないため、十分な日射量が確保できれば設置場所を選びません。屋根や屋上への設置はもちろん、近年ではビルの壁に設置するケースも増えています。

非常用電源として利用可能

太陽光発電システムは、停電などで電力会社からの供給が途絶えた場合でも、自立運転機能に切り替えることで、自家発電した電気を利用できます。

企業の社会的貢献のアピール効果

企業がSDGsやカーボンニュートラルへ貢献することが、社会的責任(CSR)の一つとして求められている近年、太陽光発電システムの導入は、目に見える環境対策として企業の広報活動に活用され、ブランドイメージの向上につながるとして注目されています。
また、社内においても従業員の環境意識や節電への関心を高める効果があります。災害時の電力確保といった実用的なメリットも期待できます。

太陽光発電所の保守管理と重要性

砂や鳥のフンなどの外的要因によって汚れたり、自然災害によってパネルやその架台が損傷したりすると、発電効率が低下してしまう太陽パネル。
このため、発電ができなくなったり、換気フィルタが詰まって換気が不十分になるといった問題が発生しないように、しっかりと管理・維持することが大切です。

太陽光発電所においても同様に、保守管理は非常に重要です。しかし、太陽光設備は広範囲での作業が必要なため、適切に管理されない場合も。
発電所内の設備や機器に異常が発生すると、発電量が減少し、供給先にも影響を及ぼすことになります。そのため、こうした問題が起こらないように対策を講じる必要があります。

産業用太陽光発電では、

  • 適切な点検と保守を行い、発電量の維持に努めること
  • 定期的に費用や発電量などの報告を行うこと
  • 系統安定化のために適切に発電事業を運営すること

上記の項目が認定基準として明確に定められています。

保守点検(O&M)について‐太陽光発電システム保守点検ガイドライン

太陽光発電のO&Mとは、発電所の運用管理(Operation)と保守点検(Maintenance)を行うことで、設備を安定的に活用・維持することを指します。
私たちが普段当たり前のように使っている電気ですが、安全で確実に供給されるためには、設備の長期的な安定稼働が欠かせません。

「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」は、太陽光発電システムを保守するために、具体的にどのような作業が必要になるかをまとめたガイドラインです。
太陽光発電による電気を、国が定めた価格で一定期間、電力会社が買い取る制度FIT法では、すべての発電事業者に「再生可能エネルギー発電事業計画書」の提出が義務付けられています。
この計画書の作成にあたっては、資源エネルギー庁の「事業計画策定ガイドライン」に従い、適切に事業を進めることが求められており、ガイドラインには具体的な基準は明記されていないものの、民間のガイドラインと同等以上のメンテナンスを実施することが必要です。
その際、「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」の活用が推奨されています。