県内における再生可能エネルギー・新エネルギーの導入推進

更新日付:2025年03月25日

エネルギーに関する和歌山県の取り組み

県民意識の向上

広報誌での情報提供やフォーラム・講演会・展示会の開催などを通じた普及啓発により、再生可能エネルギーの導入や水素の利活用を拡大。

教育の推進

学校での授業や教員研修、公民館活動などの社会教育を通じて、再生可能エネルギーや水素の利活用について学ぶ機会を提供。

関連企業の誘致推進

商品開発や市場拡大が期待される成長分野である水素をはじめとする新エネルギー関連分野。県内産業全体への波及効果も大きいため、積極的に関連企業の誘致を推進。

導入事業及び実証実験などへの支援

地域住民の理解を得ながら、国や研究機関による実証実験が県内で実施されるよう働きかけ、実験地の紹介や各種相談対応などを支援。

助成などによる支援

国の補助政策の動向を注視しつつ、必要に応じて再生可能エネルギー導入に対する助成や支援を実施。

手続の迅速化や要件の緩和等の国への働きかけ

県庁内に「ワンストップ窓口(成長産業推進課)」を設置し、事業者からの問い合わせに迅速に対応。
関係部門と連携し各種申請手続きの迅速化を図る他、必要に応じて国に対し要件緩和などの働きかけを行い、再生可能エネルギーの導入を促進。

グリーン電力証書制度などの活用

企業が使用電力量に応じてグリーン電力証書を購入し、その資金がグリーン電力発電事業者の支援に充てられる「グリーン電力証書制度」の活用を促進。それにより再生可能エネルギーの普及を拡大。

太陽光発電に関する取り組み

一般家庭や産業・公共施設への太陽光発電の導入推進

国のエネルギー計画では、2050年までに設置が適切な住宅や建物に対する太陽光発電の普及を目指しています。
そのための目標として、2030年までに新しく建てられる一戸建て住宅の60%に太陽光発電設備を設置することを掲げています。

環境に配慮した太陽光発電事業の普及

環境にやさしい太陽光発電を広めるための条例を制定。法律や条例に基づき、県民の理解を深め、自然と調和した適切な太陽光発電事業を推進。

バイオマス燃料製造 ・ 熱利用などについて

企業などへの導入促進と支援

温浴施設の加温や床暖房、農業用ハウスの暖房、製材所での木材乾燥の熱源として、チップ・ペレットボイラーの導入や木質ペレットの製造を支援。国の補助制度や県の融資制度の活用に関する相談に対応し、導入をサポートします。

地産地消モデル事業の実施

県内の特定地域をモデルとし、地域内で生産・利用する木質バイオマスの循環システムを構築し、地産地消を推進。

小水力発電について

水の流れを利用して発電する比較的小規模な水力発電施設であり、ダムのような大規模な構造物を必要とせず、環境への影響が小さいクリーンな発電方式。国の適地調査により県内に適した場所が見つかった場合は、市町村や企業、研究機関などと連携し、導入の促進に取り組みます。

メタンハイドレートについて

天然ガスの主成分であるメタンと水分子が結晶化した氷状の物質で、次世代エネルギー資源として期待されている物質。

串本沖での調査

メタンハイドレートは日本周辺の海底に存在すると考えられており、和歌山県では2012年度から調査を開始。県の漁業調査船「きのくに」の魚群探知機などを活用し、串本沖で調査を実施。
2013年度以降、毎年メタンハイドレートの存在を示す「プルーム」(魚群探知機で煙のように見える現象)が確認されています。

国への提案など

串本沖での調査を続け、メタンハイドレート開発の可能性を示すことで、和歌山県で本格的な採掘調査が優先的に行われるよう国に働きかけています。さらに、次世代エネルギー資源への関心を高め、県民の理解を深めるための情報発信にも取り組んでいます。

革新的なエネルギー高度利用技術について

エネルギー効率の飛躍的な向上や、再生可能エネルギーの普及、エネルギー源の多様化に貢献する技術の導入を促進。

クリーン自動車の導入

和歌山県では、2024年3月に「和歌山県公用車の電動車導入計画」を策定し、導入する公用車については、代替できる電動車が無い場合を除き、2040年度までに100%の電動車を目指すこととしています。

天然ガスコージェネレーションの導入

和歌山県立医科大学では、電力需要に応じて 2基の天然ガスコージェネレーション発電装置を稼働させ、学部施設や付属病院に電力を供給。また、発電時に発生する排熱を、施設の空調や冷温水供給の熱源として有効活用しています。

再生可能エネルギー 県内の導入事例

太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなどの自然の力を利用して作る再生可能エネルギー。化石燃料とは異なり、資源が枯渇せず繰り返し利用できるという特徴があります。

太陽光発電

  • 大規模太陽光発電所(メガソーラー)
    • F海南太陽光発電所、地域貢献型メガソーラー・龍谷ソーラーパーク、セイカソーラー発電所、広川明神山太陽光発電所、南海いずも台ひかりパーク串本、コスモパーク加太太陽光発電所など
  • 太陽光発電設備の設置
    • 県有施設への率先導入、使用する電力の一部を太陽光発電設備で賄う県工業用水道管理センター、県内の学校で初めて導入された太陽光発電施設・みなべ町立上南部小学校、株式会社島精機製作所、新中村化学工業株式会社など
  • 避難誘導灯に利用
  • 教育施設への導入
  • 交通安全対策に利用
  • 自然エネルギー実証施設 「太陽光発電バイオトイレ」

風力発電

  • クリーンエネルギー活用のシンボルとなっている広川町風力発電所
  • 民間事業者による風力発電所

バイオマス発電・熱利用など

  • 木質バイオマス発電所
    • 未利用材を地域内で活用でき、林業の振興に繋がることが期待されているDSグリーン発電和歌山合同会社「紀南バイオマス発電所」
  • バイオマス熱利用
    • 田辺市龍神村総合交流拠点施設 「季楽里(きらり)龍神」の木質チップボイラー、株式会社かつら木材商店の木質バイオマスボイラー

中小水力発電

新宮市高田小水力発電所

その他

高効率ジャイロ式波力発電システムの製品試験、日高港新エネルギーパーク 「 EEパーク 」

水素社会の実現に向けた和歌山県の取り組み

水素エネルギーは、エネルギーの安定供給や地球温暖化対策に貢献する可能性が高く、太陽光や風力といった再生可能エネルギーと並ぶ、新たなエネルギー源として期待されています。

水素エネルギーと他の再生可能エネルギー

和歌山県は、国の水素社会実現という目標を共有し、その実現に貢献するため、和歌山県における水素社会に関する考え方や取り組み方針を示す「わかやま水素社会推進ビジョン※1」を2019年6月に策定しました。

※1 水素を活用した持続可能な社会の実現を目指すための計画。水素エネルギーを県内で積極的に導入し、再生可能エネルギーの活用や省エネルギー技術の推進を進めることで、温室効果ガスの削減や脱炭素社会の実現を目指しています。また、産業、交通、住宅などの分野で水素の利用を促進し、県内経済の活性化と地域社会の発展を図ることを重要な目標としています。

県の公用車として「燃料電池自動車」を導入

2019年7月に、和歌山県初の水素ステーションが和歌山市内に開設。これをきっかけに、2025年3月時点で燃料電池自動車「MIRAI」(トヨタ自動車)3台を公用車として導入しています。燃料電池自動車(Fuel Cell Vehicle、FCV)は、水素を燃料に車体に搭載した燃料電池で発電し、その電動機の動力で走る車。二酸化炭素を排出しないため環境にやさしくクリーンです。約3分で水素を充填でき、航続距離が電気自動車より長いという特徴もあります。

燃料電池自動車を率先して利用することで、水素エネルギーの有用性や水素社会の将来像などについて県民の理解を深めるため、普及啓発に取り組んでいきます。